Re: TMS理論について ( No.1 ) |
- 日時: 2005/03/24 12:45
- 名前: 壮快カイロプラクティック 松本 斉 <sokai-chiropractic@herb.ocn.ne.jp>
- 参照: http://www13.ocn.ne.jp/~sokai/
- 私はTMS理論には詳しくはないので、理論自体に対する見解は控えますが、心因性の痛みというものがあるのは認識しています。
ただ、腰痛と言う特定部位の痛みと心理の因果関係については、否定はしませんが現実的には多くは無いだろうと考えています。これは日々の治療における実感ですね。
大まかな分析ですが、当院での腰痛治療では、姿勢的な要因からの負荷によると思われるものが約9割。これは大半が改善します。 特殊な要因(脊柱管の狭窄・骨の変異による神経症状・椎間板の狭小化による神経症状など)によるものが約0.7割。これはやや改善する場合もありますが、多くは改善しても一時的でまた元に戻ってしまいます。 そして病院の検査結果から推測すると改善しても良さそうなのに、原因が分からず改善しないものが約0.3割位でしょうか?この原因が分からず改善しないものが、もしかしたら心因性のものかな?と思っています。
有名な作家の夏○静子さん(○曜サスペンスの原作などでも有名)も、かつて原因不明の腰痛に苦しみ、あらゆる療法を試しても改善せず、心療内科医にたどり着いた結果良くなった、と言う経験があり、体験を本にして出版されています。
病院で原因不明とされても、実際は画像では判断できないだけで、さほど改善が難しくない場合も相当数ありますので、私個人的には心因性のものより力学的(と言って良いのかな?)な要因のほうが圧倒的に多いと思っています。
ただし、この比率は腰痛全体に対してのものではなく、あくまで当院での結果ですから、もっと専門的な統計では違った結果になるのかも知れません。 TMS理論への見解とは少し離れてしまいましたが、お答えになりましたでしょうか?
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Re: TMS理論について ( No.2 ) |
- 日時: 2005/03/24 13:11
- 名前: みよこ
- なるほど そうですよね。
回答ありがとうございます。
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Re: TMS理論について ( No.3 ) |
- 日時: 2005/03/24 16:36
- 名前: 愉和 清水 <ryu-s@mbd.ocn.ne.jp>
- 参照: http://www.yuwa-seitai.net/
- 以前の話ですが、座骨神経痛で来られた方が来まして、すぐに症状は取れ、喜んで帰られました。
ところが微妙に場所を変えて、ジクジクとまた痛んできたのです。 このときは正直、原因がわかりませんでした。 それでTMS理論を知り、サーノ博士の本も読みました。
主旨をおおざっぱに述べますと、「怒り」などの感情を表に出すのをからだが恐れ、それを避けるために筋肉を緊張させ、肉体的な痛みを起こし、それによって情動から意識を逸らそうとする・・という理論です。 たとえばヘルニアなど、構造的に変性を起こしているものを病院では腰痛の原因と考えますが、そうではなく、たまたま変性のあったその場所にTMS的生体システムが目をつけ、そこに痛みを起こしているに過ぎない・・などの考えを根底に据え、あくまで肉体的構造的要因は存在しないという理論とも言えます。
ところで世に療法の理論はあまたあります。 私は思うのですが、どれが正しくてどれが正しくない、という判断はある意味危険かもしれません。 どれも正しい面は持っている、という見方もあってよいでしょう。
個人的にはどのような症状、どのような病気にもこころの問題は存在すると思っています。 サーノ博士の本にもありますように腰痛のみならず、あらゆる症状・疾患にこころの問題も介在しているという考えには賛同できます。 要は、どのようなバランスで症状が起こっているかということかもしれません。
私の診た方で、「子供の泣き声を聞いていると痛くなる」「誰々のことを思うと痛くなる」というケースがありました。 また、全身のバランスが整っていき、こわばった箇所が緩んできた途端に泣き出す方もおられました。
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Re: TMS理論について ( No.4 ) |
- 日時: 2005/03/24 17:27
- 名前: 愉和 清水 <ryu-s@mbd.ocn.ne.jp>
- 参照: http://www.yuwa-seitai.net/
- そして、もちろんTMS理論でよくなった方もおられましょうし、間違ったものではないとも思いますが、先にも述べましたように、「これだけが正しい」として完全にこころの問題に絞って療法を行っていきますと、数限りない例外が生じるように思われます。
いかなる技術理論を使っても常に例外がありますように、静的(スタティック)・固定的な理論に固執しますと、臨床的には少なからず失敗例が出てくるように思います。 やはり独善・慢心は慎まねばなりません。
で、正しい施術による臨床における成果ということで見ますと、松本先生のおっしゃる数値にほぼなろうかと思います。 ただし、みよこさんが留意すべきは、この数値は松本先生のところでの数値であり、一般的な整体やカイロ院の数値ではないということです。 この掲示板の先生方は信頼できると思いますが、巷のどの院でも変わらないかといいますと、現実的には大きな差がありますし、モノ売りをするところもあるようです。
ホントは心なら心だけ、体なら体だけということではなく、こころとからだは別ではなく、まるごとひとつのものです。 たとえば治ろうとする心の勢いのある方とない方では、予後も大きく変わってきます。
長くなりましたが、たぶん、いちばん大切なのは、治るのは本人自身だということです。 ただ治してもらうということだけではなく、あくまで主役は自分であり、どのような要因によって症状が出たか、あるいは病気になったか、そして、この発症によってなにかしらの気づきや学びを得、「雨降って地固まる」ごとく、溌剌生き生きと生きるための糧にすることではないかと思うのです。
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Re: TMS理論について ( No.5 ) |
- 日時: 2005/03/25 13:42
- 名前: TMS?
- TMS理論というのはもう古いのです。1991年にカナダのゴードンガイアットがEBMの概念を医学界に導入して、痛みについても94年にアメリカ、98年、2001年イギリスで科学的根拠に基づいた腰痛治療ガイドラインが作成され腰痛治療にもEBMが導入されました。
90年代に入り医学はEBMの導入で自然治癒とプラシーボを確実に排除し、科学的根拠に基づいた治療をする事によって最も早く、最も安全に、患者の疾患を開放する事が可能です。 この点においてサーノ博士のTMS理論はあくまで一人の医師における治療経験から生まれた治療法です。つまり、科学的根拠が不足しています。これは従来の古典的な治療と全く同じです。何の根拠もありません。今腰痛を治していく上で大事なのはあくまで科学的根拠に基づいた治療です。 今はもうTMSジャパンではTMS理論はもう採用していません。あくまでイギリス、アメリカで作成された腰痛治療ガイドラインです。
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Re: TMS理論について ( No.6 ) |
- 日時: 2005/03/25 15:15
- 名前: みよこ
- ということはTMSジャパンでは
存在意味がないということでしょうか?
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Re: TMS理論について ( No.7 ) |
- 日時: 2005/03/25 16:00
- 名前: TMS?
- いえいえ。先に書いたようにTMSジャパンはEBMによって疼痛治療をしております。TMSジャパンの長谷川淳史の新しい文献はそのEBMを紹介した本です。前書はTMS理論を紹介した本です。
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Re: TMS理論について ( No.8 ) |
- 日時: 2005/03/25 16:19
- 名前: みよこ
- EBMで治るのかなぁ・・。
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Re: TMS理論について ( No.9 ) |
- 日時: 2005/03/25 16:50
- 名前: TMS?
- プラシーボで病気が治る以上は人間は機械ではありません。思い込みによって治る事もあるのです。
アメリカで腰痛治療ガイドラインを作成する時にランダム比較試験に基づいた論文の数が少なく唖然としたそうです。ランダム比較試験があまり行われていないという事は研究がほとんどされてなかったという事になります。 ランダム比較試験というのは理学療法で牽引という治療法がありますが、この牽引が本当に正しいかどうか知るには患者を2郡に分け一方には牽引をし、もう一方には腰を縛りつけ牽引をしているふりをし2郡の改善率を比較します。こうする事によって牽引が本当に効くのかどうか科学的に証明できます。もし改善率に大差が無ければプラシーボ反応という事になります。患者のサンプルに偏りが無いように(治り易い患者と治りにくい患者)無作為で比較試験する事です。
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Re: TMS理論について ( No.10 ) |
- 日時: 2005/03/25 17:24
- 名前: TMS?
- お薬の場合は二重盲検法を行います。
これは患者を2郡に分け一方に試験薬をもう一方に小麦粉を飲ませます。そして、それを患者だけでなく薬を患者に渡す医師にもどちらが試験薬でどちらが小麦粉かを教えず2重のカーテンを引きます。そこで改善率を比較し本当にその薬が効くかどうかを実験します。 EBMというのはどれだけプラシーボと自然治癒を排除するかですからこのような試験は必要なのです。 しかもそれだけではありません。やはり同じ治療法でやはり、試験によってデータが変わってくる事が多々あります。そこでメタ分析です。 メタ分析とは同じテーマで2重盲検法あるいわランダム比較試験をした論文を集め、複数の人達によって批判的に分析します。つまり分析の分析です。 メタとはギリシャ語で超越するという意味です。 イギリスで作成された腰痛治療ガイドラインは12000件の論文を集めそれを4000件に絞りまたそこから360件に絞り作成され、また、医師、看護士、理学療法士、カイロプラクター、患者、弁護士等あらゆる立場の人が集まり作成されたガイドラインです。 EBMとは簡単に言うとデータです。全てデータを取り検証された結果です。もちろん万能ではりません。今ではEBMとNBMの統合というのが最も新しい医療概念です。これはEBMで治らなければNBMで治療すればいいと言う事です。しかし、EBMは現時点で最も信頼のおける研究結果であり、自然治癒、プラシーボをこれほど排除した結果はありません。 みよこさんが今後どのような治療をするかはみよこさん自身が決める事です。今の段階で腰痛治療におけるEBM自体は体には無害です。副作用は一切ありません。
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